Webデザイナーやグラフィックデザイナー転職で絶対に必要になるものがポートフォリオ。これまでにどういった作品を作ってきたのかをまとめた作品集のことです。
これがあれば未経験からでもデザイナー転職に挑戦可能。実案件がある方が強いけれど、実務未経験でも自主制作やスクールでの課題など架空案件を掲載できれば実力のアピールにつながります!
ポートフォリオサイトを制作する方法やPDFデータでまとめる方法など、いくつか選択肢がありますが、今回はポートフォリオの作り方3選をご紹介します。
- 実務未経験でデザイナー転職を考えている人
- ポートフォリオの作り方に迷っている人
デザイナー転職でポートフォリオが必要な理由
Webデザイナー・グラフィックデザイナーの応募書類は履歴書・職務経歴書とあわせてポートフォリオ必須の求人がほとんどです。これは正社員転職でも派遣のお仕事にエントリーでもあてはまります。
実務未経験OKの求人であればポートフォリオ必須ではない求人もありますが、逆に条件面でも厳しくなりそうですし書類通過率はポートフォリオの有無で大きく変わることは容易に想像できますよね。また多くの企業が「未経験可」と謳っていても、基礎的なスキルや知識、制作経験を持つ人材を求めています。ポートフォリオはポテンシャルや熱意を示す絶好の機会です。
ポートフォリオにおいて採用側が知りたいポイントはなんでしょうか?
- デザインスキル、ツールスキル
- どんなデザインが得意か
- アウトプットまでのプロセス
これまでポートフォリオを企業に見せ面接を受けた経験から、大きく分けると上記3つのポイントを企業の採用担当は見ていると思います。
ただ作品を載せるだけではなく、ターゲットや目的などの要件定義、デザイン制作までのプロセスを載せることが重要。採用側はその企業で具体的に活躍していけそうかイメージすることができます。
ポートフォリオでアピールしたいポイント
採用側はポートフォリオからどんなスキルがあるのかを見ています。ポートフォリオをまとめるときは下記4つの力を意識してみましょう。
- リサーチ力
- 課題定義力
- 発想力
- 思考力
ポートフォリオに掲載する内容
【リサーチ力・課題定義力・発想力・思考力】の上記に記載した4つの力がきちんと見えるかどうかチェックしながら、作品の制作過程をまとめていきましょう。
ポートフォリオに作品を掲載するときに、下記のような項目を盛り込むことがおすすめです。
- 制作所要時間、使用ツール、自分が担当した部分などの基礎情報
- クライアントの課題(架空案件でも掲載する)
- ターゲット(ペルソナ分析など)
- リサーチ(市場分析 / 競合調査など)
- ターゲット目線でのデザインのこだわり
- デザインの制作過程(ラフスケッチ、ワイヤーフレーム、デザインの検証など)
- 結果、展開例
- 制作を通しての学びや自分の強み
あまり長くなりすぎると見る方も大変になるので、特に力を入れた工程を中心にコンパクトにまとめて掲載していきましょう。
ポートフォリオの作り方3選
ポートフォリオを作成する方法を大きく分けて3つご紹介します。ピックアップしたものはどれも無料範囲内で利用可能です。※2024年11月時点
- ポートフォリオサイト(作成サービスを利用)
- ポートフォリオサイト(イチから自分で実装)
- PDFデータにまとめる
ポートフォリオサイト(作成サービスを利用)
お手軽さ
デザインの自由度
共有のしやすさ
ポートフォリオサイトを簡単に作成できる専用のサービスは現在ではたくさんあります。登録したら、作品ごとに画像やテキストを入力してページを作成するため、サイト制作の知識がない人でも簡単にポートフォリオサイトを作ることが可能です。
検索するとたくさんのサービスがあることがわかりますが、実際に私が利用したことがあるものや周囲で利用している人がいるサービスを中心にピックアップしてみます。
デメリットとしては、プラットフォーム自体がサーバーダウンなどの原因で落ちていると自分のサイトも表示されないため、そういうときに備えてPDFデータで作成しておくなど準備しておくとベターです。実際に私もサーバーダウンで表示されないという経験があり、急遽ポートフォリオをPDFデータにまとめました。
RESUME
私がポートフォリオサイトを初めて制作したプラットフォームがこのRESUMEです。スキルや経歴をまとめる履歴書のような役割のプロフィールページと作品をまとめるページで構成されています。
サイト自体のデザインはできませんが、カバー画像を設置できるためそこで自分の色を出すことは可能です。また、プロフィールページのスキルセットが円グラフでレベル感がわかりやすい点もいいですね。
掲載可能作品数の記載がないので正確な数がわかりませんが、25作品くらい掲載している人もいたので無料で利用できるサービスの中ではかなり多い方だと思います。
・鍵付き公開可能 実案件などで公開状態にできない作品をパスワード設定することが可能
foriio
foriioは国内最大級のポートフォリオプラットフォームでデザイナーだけでなくイラストレーター、写真家、漫画家、ミュージシャンなど様々なクリエイターがポートフォリオ作成に利用しています。
無料プランではプロフィールページはなく作品掲載に特化していますが、掲載作品をカテゴリーごとに分けられたりと作品数や作品ジャンルが多い人にもおすすめ。
特徴的なのは、作品ページからお仕事を依頼できるボタンがあるところ。副業デザイナーやフリーランスで実案件を受けたい人にも使いやすいプラットフォームになっています。
転職活動のために個人利用したい人は無料プランで充分かと思いますが、有料プランの「foriio PRO」はtoB向けのビジネスサービスとなっているようです。
・カテゴリー分けができる 作品数や作品ジャンルが多い人に特におすすめ
ポートフォリオサイト(イチから自分で実装)
お手軽さ
デザインの自由度
共有のしやすさ
次に、ポートフォリオサイトをイチから自分でデザインして実装する方法。もちろんHTML/CSSで実装するのもありですが、Studioなどのノーコードツールを使えばより手軽に作成することが可能。
私はまだトライできていませんが、私の知り合いにもStudioでオリジナルのポートフォリオサイトを作っている人が多数います。
Studio
ノーコードWeb制作プラットフォームのStudioはコーポレートサイトなどでも利用されており、昨今かなり増えてきました。HTML/CSSでの実装に苦手意識のある人でも、直感的にサイト制作ができるところがメリット。
ポートフォリオサイトでもオリジナルのデザインでサイトを制作でき、ポートフォリオサイト自体が一つの作品としてアピールできる点が何よりもいいですね。自分の世界観を構築してデザイナーとして自身のオリジナリティをアピールできれば、応募先の選択肢も増えそうです。
・自由度高くデザインできて、ノーコードなので直感的に制作可能
StudioのサイトギャラリーShowcase では様々なサイトデザインを見ることができます
サイトギャラリー『SANKOU!』 Studioで制作されたサイト
HTML/CSS
HTML/CSSなど自分でコーディングしてサイトを制作する方法ももちろんありです。コーディングまでできるWebデザイナーとして今後やっていきたい人は挑戦するのも◎
jQueryなどでアニメーションを実装するなど、自由度高くオリジナリティのあるサイトを制作できるのであれば、実務未経験だとしても採用確率はアップしそうです。
余談ですが、Webデザイナーとしての仕事は企業によってもその業務の幅は違うようです。ディレクターがいてデザインのみに専念する場合もあれば、より上流工程から関わる場合、デザインの後の実装まで行う場合も企業によってはあります。そこは求人内容や面接段階でもよく確認しておくことが重要です。
・コーディングスキルもアピールできる!
notion
ちょっと番外編ではありますが、notionでポートフォリオページを作るのもありです。
最近では企業で利用していることも多いnotion。意外と自由度も高いため、notionを使いこなしてデザイン性を高めたポートフォリオページにすれば、そのページ自体もデザイナーとしてのスキルアピールになりますね。
・信用性も高いアプリなので、notionのスキルもアピールできる
PDFデータにまとめる
お手軽さ
デザインの自由度
共有のしやすさ
Webデザイナー志望であればデータよりもポートフォリオサイトの方が適していますが、余裕があれば保険でPDFデータでも用意しておくことをおすすめします。サーバーダウンなどが起こることもあり得るためです。
また、グラフィックデザイナーであればサイトでもデータでもどちらでも自分の作りやすいものがいいでしょう。IllustratorやFigmaなど自分の好きなツールで制作してPDFデータにまとめておけばOKです。これが一番ベーシックな方法と言えるかもしれません。
また、公開状態にできない実案件などがある場合は、応募時に応募する企業にだけポートフォリオのデータを送付するという方法は安心ですよね(サイトの場合でもパスワード設定できれば問題はないですが)。
・自分の好きなツールで自由度高く制作できる。サイトと別で作っておくのも◎
まとめ
- 時間や労力を最小限にしてポートフォリオを作りたい人は作成サービスを利用する
- とにかくデザイン重視でクオリティ高いものにしたい人はStudioなどで実装して作成
- データでも用意しておくといざという時に安心
Webデザイナーやグラフィックデザイナーとして未経験から転職を目指す人にとって、ポートフォリオの作成は非常に重要です(未経験でなくても!)。自分の目指すキャリアや何をアピールしたいかに合わせて利用するプラットフォームや方法を選びましょう。